NATIVE INSTRUMENTS社のMASSIVE X。前作のMASSIVEから10年が経っています。MASSIVE Xの操作画面、いわゆる「ユーザーインターフェース」も前作のMASSIVEとはかなり変化し、より多くの機能を装備しています。整理ができず使い方に戸惑っている方もが多いはず。
本記事では「MASSIVE Xのユーザーインターフェースの概要」を説明していきます。本記事を読むことでMASSIVE Xの操作画面の整理がつき、次のステップである実際のサウンド作り、実践的な使い方へとスムーズにつなげていけるでしょう。
目次
MASSIVE Xの使い方 ユーザーインターフェースの概要
1. ヘッダー(Header)
2. モジュールパネル(Module panels)
3. ナビゲーションバー(Navigation bar)
4. エディター(Editor)
5 .リモートオクターブ(Remote Octave)
①MASSIVE Xのヘッダー(header)
MASSIVE Xのヘッダーの概要を説明します。
① Settings menu→ ユーザープリセットの管理、MASSIVE Xの外観(サイズや色)の調整ができます。また、「MASSIVE X学習」のためのNative Instruments公式サイトへのアクセスなどもここから行えます。
② Browser and presets menu→ プリセット検索、プリセット読み込み、初期状態へのリセット(プリセット内、左側にあるQickstart→Init-MASSIVE X を選択すると初期状態となります。 Init-MASSIVE X Blankはルーティングが外れた状態ですので最初は音が出ません)ができます。MASSIVE Xは350種を超えるプリセットが用意されており、ここから必要なプリセットを素早く見つけることができます。また、好みの新たなサウンドをご自分で作った場合は、ここでユーザープリセットとして保存ができます。
③ Master volume →ここでMASSIVE Xの音量調整できます。
④ Logo→ 「NI(Native Instruments)」のロゴです。クリックすると、MASSIVE Xのバージョン、ライセンス、クレジットを確認できます
⑤Macros and MIDI control sources→サウンドをコントロールし、変化を加えるための多数のコントロールソースです。16個あるマクロコントロールはMASSIVE Xの全パラメーターにアサイン(割当て)可能。DAWでオートメーションを描くのに便利です。選んだプリセットの音色を自分好みに変えたいと思った時は、これらのツマミの値を変えてみるのもいいですね。
②MASSIVE Xのモジュールパネル(Module panels)
このモジュールパネル(オーディオモジュール)でサウンドを作り、加工することができます。エディター(見出し④MASSIVE Xのエディター参照)のルーティングページで自由に接続し、いろんなシンセサイザーの合成方式(減算合成 ウェーブテーブル合成 FM合成など)を試すことができます。
Tune(チューン)→ここでMASSIVE Xのメインとなるピッチ(音程)を決めることができます。演奏されたノート間のピッチを滑らかに繋ぐGlide など機能もここからできます。Glideを使いた場合は、Glideとある部分を押し、Glide機能をONにしましょう。
Oscillators(オシレーター)→ねらったサウンドを作るのにオシレーターは非常に重要です。オシレーターで波形とピッチ(音程)を決めます。MASSIVE Xには2つのウェブテーブルオシレーターが搭載されています。通常のシンセサイザーにあるベーシックな波形はもちろん、MASSIVE Xならではの波形も多数用意されていて、音作りの幅はかなり広がりました。
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Noise(ノイズ)→二基のノイズコントローラーを備えています。以前のバージョンであるMASSIVEよりも、さらに豊富なノイズプリセットが用意されています。ノイズの組み合わせにより、楽曲の全体的な響きや雰囲気を様々に変えることが可能です。サウンドエフェクト(sound effect=SE=効果音)作成にも大いに力を発揮します。
Filter(フィルター)→前作MASSIVEよりさらに進化したものとなっています。9種類のプリセットが用意されています。最初にプリセットを選択してからその下にある各ツマミを設定していくことになります。決定したプリセットにより関連する各ツマミが変化するようになっています。
Effects(エフェクト)→MASSIVE Xでは図のように2種類の異なるタイプのエフェクトが用意されています。Insert EffectsとStereo Effectsです。各々最大3つのエフェクトを使うことができます。Insert Effectsではサウンドを積極的に変えていくエフェクトが用意されており、空間系が多いStereo Effectsで最後の仕上げに便利です。
また、Insert Effects内のA、B、Cをそれぞれサブオシレーターとして使用できます(最大3つのサブオシレーターが使用可能)。Insert Effects内のA、B、CでOSCを選択してください(Routing操作画面でRoutingすることを忘れずに)。Insert Effects内のA、B、CをFilterとしても使用できます。A、B、Cでutilityを選択後、ハイパス、ローパスなどの種類を選んで下さい(Routing操作画面でRoutingすることを忘れずに)。
Amplifier(アンプ)→ Amp-Envelope(Amp-Envelopeは、③のナビゲーションバーのModulation SourcesのE1をクリックして、④のエディターの一番左に表示される)のボリューム調整に使われる。
エディター(見出し④MASSIVE Xのエディター参照)に何を表示させたいかを選択します。Voicing Tab Routing Tab Modulation Sources のうちエディターに表示させたい項目をクリックしてください。またModulation Sources内の格モジュレーション( P=Performer E=Envelope L=LFO T=Key Tracker VR=Voice Randomizer)の十字カーソルをモジュレーとしたいパラメーター(ツマミ)にドラッグ&ドロップすることでアサイン(割当て)することも可能です。これらジュレーションでサウンドに動きを付け、バリエーション豊かなサウンドを作ることができます。
④MASSIVE Xのエディター(Editor)
③のナビゲーションバーで選択した内容(Voicing Tab、Routing Tab、Modulation Sources)がこのエディターに反映され、細かい設定ができるようになっています。③のナビゲーションバーでVoicing Tabを選択すれば、エディター画面が切り替わりVoicingの細かい設定ができます。③のナビゲーションバーで格モジュレーション(P=Performer E=Envelope L=LFO T=Key Tracker VR=Voice Randomizer)を選択すれば、そのモジュレーションを細かく設定できます。
ちなみにE=Envelopeを選択したとき。一番左に表示されるAmp-Envelopeは固定となっており、②モジュールパネル内のAmplifier(アンプ)のボリューム調整に使われます。
⑤MASSIVE Xのリモートオクターブ(Remote Octave)
Performer(P=Performer)で作るモジュレーションパターンを1〜12に割当てることができます。これらのパターンを任意に呼び出し演奏中のモジュレーションパターンの幅を広げることができます。このPerformerをアルペジエーターとしても使えます。
まとめ
・ヘッダー(Header)
・モジュールパネル(Module panels)
・ナビゲーションバー(Navigation bar)
・エディター(Editor)
・リモートオクターブ(Remote Octave)
これらがMASSIVE Xのユーザーインターフェースの基本となっています。この記事でユーザーインターフェース概要を整理し、あなたの素晴らしい楽曲製作ライフに役立ててください。MASSIVE Xは今後も定期的な無償アップデートが行われる予定です。さらなるMASSIVE Xの進化に適応できるようにしましょう。
SEVEN&EIGHT MUSIC(7&8 ミュージック)の「MASSIVE Xの使い方 ユーザーインターフェースの概要」の記事、最後までお読み頂きありがとうございました。
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