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ベートーヴェンのバイオリンソナタ革新

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ベートーヴェンと言えば「運命」や「交響曲第9番(ダイク)」などの交響曲や、「月光」「悲愴」などの「ピアノソナタ」を連想する人が多いと思います。事実、ベートーヴェンは「交響曲」や「ピアノソナタ」においてたくさんの名曲を残し、さらにその分野でたくさんの音楽革新を行ってきました。意外と知られていないのですが、ベートーヴェンは「バイオリンソナタ」も全部で10曲書いており、バイオリンソナタの分野でも既存の様式を壊し、革新を行っています。今回の記事では「ベートーヴェンのバイオリンソナタ革新」について書いていきます。

関連記事→ベートーヴェンが行った音楽革新 

ソナタとは

バイオリンソナタやピアノソナタなど、クラシックの世界でよく「ソナタ」という言葉を耳にしますが、まずは「ソナタ」という言葉を理解しましょう。クラシックの世界においてソナタ」といったら大別すると2つの意味があります。
①楽器だけで演奏される曲=器楽曲(きがくきょく) 
②ソナタ形式で書かれた器楽曲のこと(ソナタ形式とは簡単に言うと「基本となる曲の流れの形」のこと)

バッハが活躍した「バロック時代」においてはソナタといったら①器楽曲の意味となります。バッハが活躍したバロック時代はまだソナタ形式は確立されていませんでしたので….。  一方、18世紀半ば以降(古典派音楽時代)、ソナタといったら②ソナタ形式を用いた器楽曲(主に第一楽章にソナタ形式が使われている)ということになります。バロック時代ではまだソナタ形式が確立されていませんでしたが、18世紀半ば以降、古典派のハイドンがソナタ形式を確立したのでこのような意味の違いが出てきました。ベートーヴェンが活躍した時代(古典派音楽)は、ソナタといったら「②ソナタ形式を用いた器楽曲」となります

ピアノだけで演奏されていたら「ピアノ・ソナタ」。バイオリンとピアノ(鍵盤楽器)で演奏されていたら「バイオリン・ソナタ」。チェロとピアノだったら「チェロ・ソナタ」。フルートとピアノだったら、「フルート・ソナタ」(〇〇〇ソナタといったら、ピアノは必ず入る)。オーケストラのために書かれた曲であるなら「交響曲」となります。今回はソナタ形式についての詳しい記述は割愛しますが、違う記事でご紹介します。

モーツァルトのバイオリンソナタ

モーツァルトとベートーヴェンは音楽史でいう古典派時代に活躍した音楽家です。モーツァルトの方がベートーヴェンより先輩になります。同じ古典派時代に活躍した音楽家ですが、バイオリンソナタに注目してみると、その作風が全く違うのです。簡単に言うと、モーツァルトのバイオリン・ソナタはバイオリンが控え目に演奏されている曲が多い。

モーツァルトの時代、いわゆるバイオリンソナタと呼ばれるものは正式名称を「バイオリン伴奏付きの鍵盤ソナタ」と言います。モーツァルトの時代のバイオリンソナタは主役はあくまでピアノ。バイオリンは伴奏・脇役でしかなかったのです。バイオリンの控え目なのもしょうがない。バイオリン・ソナタの主役はピアノ(鍵盤楽器)ですから、バイオリンパートが弱いと勘違いしないでください。モーツァルトの「バイオリン伴奏付きの鍵盤ソナタ」、もちろん名曲がたくさんあります。

しかし、ベートーヴェンは既存の「バイオリン伴奏付きの鍵盤ソナタ」を変えようとしました。実はベートーヴェンの時代は楽器の改良が進んだ時代でもあり、彼はバイオリンとピアノのさらなる表現の可能性を感じていたのです。ベートーヴェンが天才と言われるほどのピアノの名演奏家だったことは有名ですが、バイオリンのさらなる表現の可能性を見い出し、活躍させるために、彼はバイオリンのレッスンも友人から受けていました。
そしてたどり着いたのが、バイオリン・ソナタにおいてピアノとバイオリンを主従関係におくのではなく、対等な関係にするという斬新なもの。

「バイオリン・ソナタ 第5番 へ長調 」(「春」や「スプリング・ソナタ」と言われていてる)はベートーヴェンの有名なバイオリンソナタのひとつです第一楽章はソナタ形式で書かれています。バイオリンとピアノの奏でる心躍り、春をイメージさせる美しいメロディーは聴く人を魅了します。モーツァルトのバイオリンソナタはバイオリンが抜けても曲として成立してしまいそうな感じもありますが、バイオリンを重要視し、ピアノとバイオリン対等な関係にしたベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」は、バイオリンパートを無くしてしまっては曲が成立しません。

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バイオリン革新はクロイツェルで頂点へ

バイオリン・ソナタにおいてピアノとバイオリンを主従関係におくのではなく、対等な関係にする。これがベートーヴェンが行った「バイオリンソナタ革新」です。有名な曲は先ほどの「バイオリン・ソナタ 第5番 」スプリング・ソナタ)と、もう一曲あります。それが「バイオリン・ソナタ第9番 クロイツェル」です。クロイツェルではピアノ、バイオリンはもちろん主従関係ではありません

ピアノとバイオリン二つの主役がおり、競い合うような二重奏となっています。それぞれの楽器の特性が活かされ、対等な関係のピアノとバイオリンが競い合い、協力しあい、時にはピアノを超えるくらいの勢いでバイオリンが演奏されている、情熱的で力強いバイオリンソナタであります。クロイツェルを初めて聴いた当時の人たちは衝撃的だったことでしょう。まさに、「バイオリン・ソナタ第9番 クロイツェル」はベートーヴェンが人生をかけて取り組んだ、バイオリンソナタの最高傑作であります。
ベートーヴェンの死を境いとして音楽史もロマン派時代に入ります。バイオリンソナタにおけるベートーヴェンの革新は、ロマン派以降の音楽家に大きな影響を与えています。

まとめ

バイオリン・ソナタにおいてピアノとバイオリンを主従関係におくのではなく、対等な関係にする。このベートーヴェンが行った「バイオリンソナタ革新」であります。バイオリン・ソナタにおけるベートーヴェンのこの革新は、ロマン派以降の音楽家に大きな影響を与えています。古きものへのリスペクトを抱きつつも、意欲的に新しいものを創造するベートーヴェンの姿勢に、敬意を表さずにはいられません。

ベートーヴェンのこともっと知りましょう→ベートーヴェンが行った音楽革新 

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