前回の記事に引き続きフィルター・エンベロープのADSRについて説明していきます。
フィルター・エンベロープのADSRはフィルターの開閉を時間的にコントロールします。言い方を変えるとフィルターのCUTOFFを「モジュレーション」します。「モジュレーション」とは「くすぐられて揺れる」事です。CUTOFFがくすぐられて揺れて、音色変化するのです。
前回の記事はこちら→フィルター・エンベロープのADSR①
上の画像はシンセベース(シンベ)定番の設定例です。波形はノコギリ波で、ローパスフィルター、-24dB/oct(LP24)を選択しています。カットオフ、エンベロープ(アマウント)、フィルターADSR、レゾナンスはそれぞれ上の図のような設定です。
上の図にはアンプ・エンベロープは写ってないですが、アンプEGはサステインだけ最大で、他は「0」のオルガン型にしています。
ディケイが少ししか上がっていないのでサステインまですぐにフィルターが閉じます。
先ほどの設定で、フィルターADSRのアタック(A)だけ少し上げてみました。フィルターADSRのアタック(A)が少し上がっているので、最初にフィルターが開く時間が入ります。そのあとディケイの時間をかけてサステインまでフィルターを閉じます。
聞いたことのある「ビョーン」というベースの音色設定例です。ノコギリ波を使っています。フィルターはローパス24(-24dB/oct)。CUTOFF・ADSR・ENVELOPEはそれぞれ上のように設定しました。RESONANCE(レゾナンス)を上げて味付けをしています。ちなみにレゾナンスとは「カットオフで設定した値」の落ちる直前の音を持ち上げて強調するパラメーターです。
先ほどの「ビョーン」というベースの音色設定例に今度はフィルターのA(アタック)を上げてみました。
音の出だし、すなわちアタックの所では倍音が少なく、その後徐々に倍音が増えていくのがわかります。ピークに達すると今度はゆっくり倍音が少なくなって、ディケイの時間をかけてサステインまでフィルターを閉じていきます。
音色が「暗→明→暗 」と変化していますね。
フィルター・エンベロープ・ジェネレーターはシンセサイザーの音作りの中でも理解しずらく混乱しやすい所です。「フィルター・エンベロープ・ジェネレーター」と「アンプ・エンベロープ・ジェネレーター」。この二つの理解を深めることで、かなりシンセサイザーの音作りができるようになると思いますので、頑張ってください。
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前回の記事はこちら→フィルター・エンベロープのADSR①