こんにちは!【SEVEN&EIGHT MUSIC】の管理人『ななおえいと』です。
前回の記事【音楽記号】シャープの意味を理解しよう!では楽譜などを見ると頻繁に出てくる音楽記号シャープ(#)の基本的な意味について説明しました。せっかくなので、シャープ(#)同様に頻繁に出てくる音楽記号フラット(♭)の意味についても整理していきたいと思います。
ブログの出だしの文書(リード文)をダラダラ書く癖があるので、ちゃっちゃと本題に入りますよ〜。
【音楽記号】フラットの意味を整理しよう!、今回はこのテーマで進めていきます。
フラット記号の意味
フラット(♭)は「半音下げる」という意味の音楽記号です。ちなみに、前回の記事で説明したシャープ(#)は「半音上げる」という意味の音楽記号でした。
フラット(♭)の意味を理解するのに、まずは「半音」を理解しなければいけません。「半音」の理解はちょー大事です。コードを覚えるとか、楽器を練習するとか、音楽理論を勉強するとかの場合は必須です。「半音」の理解は、水泳で例えるなら「浮き身」です。浮き身ができないと、そのあとの「けのび」、「バタ足」、「面かぶりクロール」など、先に進めない。だから「半音」をしっかり理解しましょう。
鍵盤楽器は半音や音楽理論を勉強するのにとっても便利です。だから、鍵盤を使って半音を説明していきますよ〜。
上の図を参考にして下さい。鍵盤は白い鍵盤の白鍵(はっけん)と黒い鍵盤の黒鍵(こっけん)とで構成されています。鍵盤同士が隣り合っていればそれが半音の関係となります。
半音関係の一例を挙げます。以下にあげるものは全て半音の関係です。
・「ド」と「レ♭」は半音関係
・「レ」と「ミ♭」は半音関係
・「ミ♭」と「ミ」は半音関係
・「ミ」と「ファ」は半音関係
・「ファ」と「ソ♭」は半音関係
・「ソ♭」と「ソ」は半音関係
・「ソ」と「ラ♭」は半音関係
・「シ」と「ど」は半音関係
まちがいやすいのは、「ミ」と「ファ」の関係と「シ」と「ど」の関係です。「ミ」と「ファ」の間にも、「シ」と「ど」の間にも黒鍵 がないですよね。だから、白鍵 どうしが半音の関係になります。
「半音」についても記事を書いていますので詳しく知りたい方は参考にして下さい。
関連記事→【全音と半音】を理解しよう!
音楽記号のフラット(♭)は楽譜で頻繁に出てきます。楽譜上でフラット(♭)を使うときは、
「臨時記号としてフラットを使う」場合と「調号としてフラットを使う」場合がありますので、
この二通りのパターンをそれぞれみていきましょう!
フラット(♭)の効果、「臨時記号」の場合
曲の途中で臨時に音を変える記号を「臨時記号」と呼びます。音符の左側にピタッと寄りそっています。シャープ(#)やフラット(♭)、ナチュラルは代表的な臨時記号ですね。臨時記号としてのフラットの効果を以下に説明します。
臨時記号としてのフラット(♭)の効果(下の図を参照して下さい)
①臨時記号は音符の左側に寄りそっている。まるで彼女のように…。音符に臨時記号のフラット(♭)がくっついてたら、その音は半音下げる。
②同じ小節内ではフラット(♭)の効果を引き継ぐ。だからその音は半音下げたまま。しかし、その音に「ナチュラル記号」がついていたらリセット。
③本来同じ小節内ではフラット(♭)の効果を引き継ぐが、オクターブ離れている(オクターブ高いorオクターブ低い)場合、変化しない。
④「タイ」で結ばれた音は変化を引き継ぐ。タイで小節をまたいだ場合も変化を引き継ぐ。
ちなみに「タイ」とは「同じ高さの連続する音を弓なりの線で結んで音同士をつなげて、一つの音として演奏しましょう」という意味の記号です。
「臨時記号としてのフラット(♭)」、そして前回の記事で触れた「臨時記号としてのシャープ(#)」(シャープの意味を理解しよう!)の意味がわかったところで「異名同音(いめいどうおん)」について説明します。
異名同音(いめいどうおん)とは「違う名前(音名)だけど、実際は同じ音」のこと。別名、「エンハーモニック」と言います。英語音名(CとかDとかEとかFとか…)で異名同音(いめいどうおん)を説明しましょう(【音楽理論】音名とは何か?)。
例えば、「C♯とD♭」は音の呼び方は異なりますが、実際は同じ音ですね。同様に、
「D♯とE ♭」「E♯とF」「G♯とA ♭」「B♯とC」なども実際は同じ音ですね。
このように、「違う名前(音名)だけど、実際は同じ音」のことを異名同音(エンハーモニック)といいます。全ての音に異名があります。
せっかくなので「ナチュラル記号」についても、少し説明しましょう。
シャープやフラットなどの指示があり、半音上げ下げしていた音を、「ナチュラル」は解除して元の高さの音に戻す変化記号です。臨時記号や調号によるシャープまたはフラットで半音上げ下げしていた音は、ナチュラルがついていれば解除され、元の高さの音に戻ります。
「ナチュラル」のルール
・「ナチュラル記号」は臨時記号扱いとなるので、その小節内だけ有効。
・同じ小節内で同じ高さの音のみ有効。
・同じ小節内でも1オクターブ以上離れている音は無効。
フラット(♭)の効果、「調号」の場合
臨時記号のフラット(♭)について説明したので、次は「調号」による フラット(♭)について説明します。
「臨時記号」は曲の途中で臨時に音を変える記号でした。臨時ではなく、「楽譜の最初にあらかじめ記されている」のが「調号」です。
ト音記号やヘ音記号などの音部記号のすぐ右側に最初から記されているシャープ(#)やフラット(♭)は「調号」と呼ばれています。調号でフラット (♭)がついた場合の効果について以下に説明します。
調号としてのフラット(♭)の効果(下図参照)
①「調号」はト音記号やヘ音記号などの音部記号のすぐ右側に最初から記されているシャープ(#)やフラット(♭)のこと。ト音記号やヘ音記号のすぐ右側にフラット(♭)が何個か記されている場合、その音名は1曲を通して半音下げる。
②調号でフラット(♭)の指示がある音名はオクターブ離れている(オクターブ高いorオクターブ低い)に関係なく半音下げる。この点は臨時記号と異なる。
③調号でフラット(♭)指示のあった音名は全て半音下げるが、音符にナチュラル記号がついてたらリセット。
※「ナチュラル記号」は臨時記号扱いとなるので、同じ小節内の同じ高さの音に対して、その効果が持続します。
まとめ
・フラット(♭)は「半音下げる」という意味の音楽記号
半音の関係が分からない方はこちらの記事をどうぞ→【全音と半音】を理解しよう!
・楽譜に頻繁に登場するフラット(♭)。「臨時記号」としてフラットと、「調号」としてフラットに分けられる。
・臨時記号としてのフラット(♭)がついた場合の効果
①音符の左側にフラットがあったらそれは臨時記号のフラット 。その音は半音下げる。
②同じ小節内ではその音は半音下げたまま。でも、その音に「ナチュラル記号」があったらリセット。ちなみに「ナチュラル」は、シャープやフラットなどの指示があり半音上げ下げしていた音を、解除して元の高さに音に戻す変化記号のこと。
③同じ小節内でもオクターブ離れている(オクターブ高いorオクターブ低い)場合は変化しない。
④タイで結ばれた音は変化を引き継ぐ。タイで小節をまたいだ場合も変化を引き継ぐ。
・調号としてのフラット(♭)がついた場合の効果
①「調号」とは、ト音記号やヘ音記号などの音部記号のすぐ右側に最初から記されているシャープ(#)やフラット(♭)のこと。ト音記号やヘ音記号のすぐ右側にフラットが何個か記されている場合、その音名は1曲を通して全て半音下げる。
②オクターブ離れている(オクターブ高いorオクターブ低い)に関係なく調号でフラットの指示がある 音名は全て半音下げる。この点は臨時記号のフラット とは異なる。
③調号でフラットの指示がある音名は全て半音下げるが、音符にナチュラル記号がついてたらリセット。
これからも皆さんのお役に立てる記事を書いていきたいと思います。
今後ともSEVEN&EIGHT MUSIC(7&8 MUSIC)、ごひいきに!