こんにちは!【SEVEN&EIGHT MUSIC】の管理人『ななおえいと』です。
今回はシンセサイザーの「アンプ・エンべロープ」の説明となります。
シンセサイザーで音が出る流れを見てみましょう。
上の図のようになります。
シンセサイザーでの「音作りの流れ」も、この流れを理解するとわかりやすいですね。
目次
シンセサイザーの「アンプ・エンベロープ」
音作りの際に大切な「オシレーター」と「フィルター」については、以前の記事で説明していますので、今回は「アンプ・エンベロープ」の説明となります。
シンセサイザーで音作り オシレーター編 ① シンセサイザーの「フィルター」の基本
シンセサイザーで音量をコントロールするのに使用するパラメーターが「アンプ・エンベロープ」です。
アンプ・エンベロープはアンプEG(アンプ・エンベロープ・ジェネレーター)とも書きます。
ただ、音量をコントロールするだけだったら、マスター・ボリュームをいじればいいですね。しかし、実は音というのは鳴ってから鳴りやむまで時間経過とともに刻々と変化しています。
そう、音は常に変化しているのです。簡単に言うと時間経過とともに、「音量の変化、音色の変化、ピッチの変化」をしています
その中でも、「音量が時間的にどう変化しているのか?」を決定するのが、アンプ・エンベロープです。
アンプ・エンベロープで重要なパラメーター(つまみ)は、ATTACK(アタック) DECAY(ディケイ) SUSTAIN(サステイン) RELEASE(リリース)です。
それぞれ頭文字をとって、ADSR。
ADSRの考え方は、様々なところで出てくるのでここでしっかり理解してください。
ADSRを説明
ATTACK (アタック=A)
音が出始めてから、どれくらいの時間をかけて最大音量、すなわちピークに達するのかをここで決めます。
例えば、アタックが素早くがっつりでる場合。アタックは最もはやい設定にしたいので、パラメーターは一番下(アタックをはやく)に設定します。
ドラムなどの打楽器 ベース ピアノ ギターなどはこの設定(実際にシンセサイザーで生楽器を正確に再現はできませんが…)。これらの楽器の音の立ち上がりが遅かったら、あれ?? ってなりますよね。
逆にオーケストラなどで使うような楽器はゆっくり立ち上がります。
アタックがおそいことが多いので、パラメーターを上げめに設定。
PAD音色なんかも音の立ち上がりはおそいですね。
RELEASE(リリース=R)
「ディケイ」と「サステイン」より理解しやすいので先にリリースを説明します。
「リリース」は鍵盤を離してから、どれくらいの時間をかけて音量が「0」になるのかを決めます。
リリースで音の「余韻の長さ」のを決めるということです。
リリースのパラメーターを上げるほど鍵盤を離した後もしばらく残響が残ることになります。
DECAY(ディケイ=D)
DECAYは最大音量(ピーク)から次のSUSTAIN Levelまで減衰(音量が下がる)していく時間となります。
アタック後、どれくらいの時間をかけてサステインに到達するのかをここで決めます。
大好きな彼女(サステインちゃん)に会うのに、彼は(ディケイ君)は「自転車で行くのか?、電車で行くのか?、どこでもドアを使うのか?」 みたいなことです。
「どこでもドア」は使って欲しくないですね。 だって、会った時の感動が薄れるから…
SUSTAIN Level(サステイン レベル)
ディケイ後に同じ音量が続く場合、その音量のレベルをどれくらいにするのか?を決めます。
つまり、音を出し続けているとすると、その間「どれくらいの音量を維持するのか」を最終的に決めるところです。
「最終的に狙いたい音量を決める」ところなので、ADSRの中で、一番大事かもしれません。
鍵盤を離すと次ぎのリリースに移行します。
DECAYとSUSTAINは関係が深いのでセットで説明します。
ディケイとサステインの設定例
サステインを「0」
サステインを「0」(一番低く)に設定するとサウンドはいつか無音となります。
ピアノなどのような減衰音(音を鳴らしてもやがて発音が終わる)の楽器は、鍵盤を押し続けても音は同音量のレベルを維持できず、音量が下がってやがて無音になるので、サステインレベルは「0」ということになります。
「0」にするということは、いつか無音になるということです。
無音になるまでの時間をきめるのはディケイとなります。
ディケイの値をかなり上げたとします(最大値とか)。次のサステインが「0」ならディケイで設定した時間をかけて徐々に無音になっていくことになります。
サステイン最大値
ディケイをどの値に設定してもサステインを最大値に設定しているので、鍵盤を押している間は最大音量で音は鳴り続けます。
別の言い方をすると、鍵盤を押している間はアタックから音は減衰しない。
アタック感(アタック感のある音とは、『音の鳴り始め』を強く感じる音)は出にくいですが、音圧感や迫力は出やすいです。
ちなみに、この設定で代表てきなのがオルガンですね。
ちなみにアンプ・エンベロープを「オルガン型設定」にしたい場合、サステインのみマックスで他は「0」(一番低く)でOK。
サステイン最大値だと下のような感じです。先ほどもいいましたが、ディケイをどの値に設定してもサステインを最大値に設定しているので、最大音量で音は鳴り続けます。
アタックはもっとも早い設定で(パラメーターは一番下)、 心地よくリリースタイムを少しあげています。
ディケイ&サステインをすこし上げる
ディケイの値が短くサステイン設定値も低く設定しているので、急激に音量が下がりアタックが強調されます。
下のような感じです。
アタックはもっとも早い設定で、(パラメーターは一番下)、心地よくリリースタイムを少しあげています。
音圧感は先ほどのサウンド(サステインを最大値)のほうがありますが、アタック感はこちらの方がありますね。ちなみに、サステインを下げすぎると、音圧感や迫力感が薄れてしまいますので、気をつけてください。
まとめ
アンプ・エンベロープで重要なパラメーター(つまみ)は、ATTACK(アタック) DECAY(ディケイ) SUSTAIN(サステイン) RELEASE(リリース)です。
それぞれ頭文字をとって、ADSR。
アンプ・エンベロープの他に、「フィルター・エンベロープ」なんていうのもあります。
「フィルター・エンベロープ」もADSRの考え方が大切になってきますので、まずはここで、アンプ・エンベロープをしっかりと理解してくださいね。
「セブン&エイト ミュージック」の記事を最後までお読み頂きありがとうございました。